住宅ローン控除とふるさと納税の併用は可能?利用する際のポイントを解説

税金の知識

自身の出身地、または応援したい自治体などに納税(寄付)することができる「ふるさと納税

寄付額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から控除される制度です。

その年の年収によりふるさと納税の金額が段階的に変わるため、可能な限り上限額まで利用してなるべく損をしたくないと考える方が多いのではないでしょうか。

住宅ローン控除やふるさと納税はどちらも住民税・所得税が控除される制度のため、併用することで税額控除額をアップさせることができます。

どちらもお得な制度となるので、上手に活用できるようしっかりと仕組みを理解していきましょう。

住宅ローン控除とふるさと納税とは

【住宅ローン控除】

「住宅ローン控除」とは、住宅ローンを利用して住まいを購入した場合に「年末時点での住宅ローンの残高の1%」が入居時から10年間(※諸条件あり)にわたって、給与などから納めた所得税や住民税から控除される制度のことを言います。

「住宅ローン控除」または「住宅ローン減税」として知られる制度ですが、正式には「住宅借入金特別控除」と言います。

※住宅ローン控除の制度は年々変わるため、最新の情報は国税庁HPをご確認ください。

【ふるさと納税】

「ふるさと納税」とは、自身の選んだ自治体に寄付(ふるさと納税)を行った場合に、寄付額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です。

ただし、控除できる額は所得及び家族構成によって上限が決まっており、上限を超えた部分の寄付額は持ち出しとなってしまう点に注意が必要です。

画像出典:総務省ふるさと納税ポータルサイト

※ふるさと納税の仕組みについて詳しく知りたい方は総務省ふるさと納税ポータルサイトをご確認ください。

住宅ローン控除とふるさと納税の併用は可能か?

住宅ローン控除とふるさと納税の併用は可能です。ただし住民税での適用には上限があるので注意!

住宅ローン控除は税額控除としての扱いであり、ふるさと納税は所得控除の扱いとなります。

ふるさと納税の場合、所得税の軽減額は「納税額ー2000円×あなたの所得税率」と限られ、むしろ住民税の方で大きな控除となります。

ただし、住民税での控除は住民税のおよそ2割(所得割の2割)が上限となっています。

住民税はその年の所得に対して翌年度課税されるため、自身の1年間の収入状況を把握しながら住民税額を概算しておかなければ、ふるさと納税が上限額以上になる可能性があることに注意が必要です。

なお、住宅ローン控除も同様のことが言えます。

まずは所得税から控除しますが、所得税の額よりも住宅ローン控除の額が多い場合、余った分は住民税で使うことができます。

しかしこちらも控除できる住民税に限りがあり、課税総所得金額等の7%または13万6500円が上限となります。

よってそもそも納めるはずの所得税や住民税(上限あり)以上の住宅ローン控除が適用されても使いきれず、恩恵を最大限享受できないことも考えられます。

ワンストップ特例制度の利用がオススメ

「ワンストップ特例制度」とは5自治体以内の寄付の場合に利用できる制度で、寄付する際にワンストップ特例制度のための申請書や必用書類を合わせて添付することで、確定申告が不要になります。

このワンストップ特例制度を利用した場合、所得税からの還付はなく、全額が住民税からの還付となります。

所得税では「所得税控除」という大きな効果が期待できる住宅ローン控除があるため、ふるさと納税を住民税だけで適用することで最大限の恩恵を受けやすくなります。

住宅ローン控除一年目は要注意

ワンストップ特例制度を使えば確定申告の必要はありませんが、住宅ローン控除一年目だけは必ず確定申告が必要となります

ワンストップ特例制度はあくまで確定申告を行わないことが前提の制度なので、確定申告をするとリセットされて確定申告の際にふるさと納税分もあらためて計算することになります。

つまりふるさと納税を全額住民税で適用したいということができなくなります

自身の所得税と住民税の額(上限136,500円)が住宅ローン控除ギリギリの方は注意が必要です。

ふるさと納税を確定申告する場合、住宅ローン控除より先に所得控除計算がされるため、ふるさと納税での所得控除分が発生し、所得税からの住宅ローン控除は減ります。

所得税から減った額は住民税にまわりますが、住民税からの住宅ローン控除が上限である所得税の課税総所得金額の7%あるいは136,500円に達する人は住宅ローン控除が減ることになります。

つまり2,000円+(寄付金−2,000円)×所得税率が自己負担になります。

まとめ

住宅ローン控除とふるさと納税は併用が可能です。

特に所得税や住民税からも差し引けるため、思っている以上に節税効果を実感できる制度です。

どちらもお得な制度となるため、税金の仕組みや注意すべきポイントをおさえて上限いっぱいまで利用していきましょう。

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