【不動産の基礎】位置指定道路とは?購入する際に気をつけておきたい3つのトラブル

不動産の基礎

位置指定道路はトラブルが多いといったイメージをお持ちではないでしょうか?

不動産仲介の営業をしていると度々遭遇する位置指定道路。よくあるトラブル3選は以下の通りです。

  • 所有者に関するトラブル
  • 固定資産税に関するトラブル
  • メンテナンスに関するトラブル

位置指定道路に面している土地を購入する際には注意が必要です。

この記事では位置指定道路について分かりやすく解説しています。

購入後にトラブルに巻き込まれないためにも、事前に知っておくべきポイントを押さえていきましょう。

位置指定道路(42条1項5号)とは特定行政庁から指定を受けた私道

市街地に建物を建てる際は、建築基準法に則って建築しなければなりません。

建築基準法では、市街地に建物を建てるには「建築基準法で道路と認められる道路」に接している土地でなければ、一部例外を除き建築できないと定められています。

その一部例外というのが建築基準法42条1項5号(位置指定道路)です。

土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法(中略)によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとするものが特定行政庁からその位置の指定を受けたもの。

建築基準法第42条 一部抜粋

簡単にまとめると、建物を建てるために建築基準法上の道路に接道していなくても、特定行政庁から指定を受けた敷地(道路形状)に接道していれば建物を建てることができます。という意味になります。

・よくある位置指定道路のパターン

所有者に関するトラブル

位置指定道路は私道の1つのため、誰かの所有物として登記されています。

名義によっては通行や掘削(ライフラインを整備すること)などがしにくくなるリスクがあります。

例えば家を新築する場合は、道路に工事車両を停めたり、上下水道やガス管工事のために道路を掘削する必要が出てきます。

そのとき位置指定道路の所有者が個人であれば通行・掘削の許可を事前に取らなければ工事を進めることができません。

所有者次第では工事を妨害されたり、金銭を要求されたりとリスクが生じてしまいます。

こういったトラブルを避けるためには、契約条件(引渡条件)として通行・掘削承諾を不動産会社を通じて事前に取得することが大切です。

万が一、引き渡し前に通行・掘削承諾が取得できないような土地であれば、後々トラブルに発展するケースが多いためやめておくことも視野に入れた土地探しをされる方がいいかもしれません。

固定資産税に関するトラブル

位置指定道路は私道のため、通常は固定資産税がかかります。

国税庁のホームページ(No.4622 私道の評価)によると、位置指定道路のような私道は2種類に分類されます。

  1. 通り抜け道路のように不特定多数の者の通行に用いられている公共用の道路(上記パターン1)
  2. 袋小路のような特定の者の通行に用いられている道路(上記パターン2)

⒈の場合は固定資産税を払う必要はありません。

しかし⒉の場合は、基本的には固定資産税が課され、路線化方式又は倍率方式によって計算します。

固定資産税は土地を所有していれば毎年かかる税金です。

位置指定道路の形状や使われ方にもよっては非課税になるケースもあるため、事前に確認してをしておきましょう。

メンテナンスに関するトラブル

公道の維持管理は国や地方自治体が行いますが、位置指定道路は私道のためメンテナンスは所有者が行わなくてはなりません。

また、道路のメンテナンスだけではなく私設の水道管、下水管、ガス管が通っていれば、その補修費用も負担することになります。

最近ではライフラインに関しては地方自治体がメンテナンスを行なっているケースが増えてきています。ライフラインの所有者(公設か私設)や整備状況を事前に確認しましょう

購入前の重要事項説明書にも記載されていますが、具体的に話を進める前に仲介会社や売主へ確認することが大切です。

まとめ

位置指定道路とは建築基準法上の道路として扱われていますが、私道のためトラブルが多い道路でもあります。

所有形態によっては通行・掘削同意を事前に取得しなければ購入後にトラブルに巻き込まれたり、余計な費用がかかる場合もあります。

しかし、私道に面した土地は値段が安いことも多いため、事前にリスクを把握し対策を取ることによってよい土地購入ができるケースがあります。

自身で全てを調査把握することは難しいですが、ポイントを押さえ位置指定道路について理解を深めることが大切です。

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