不動産を売却する際には面積や境界(隣地との境目)を正確に把握しておく必要があります。
なぜなら都市部では土地の面積が数㎡変わるだけで数百万円の金額が変わる場合や、買主側が考えていた建物が建てられない場合があるからです。
また、不動産仲介の営業をしていると土地の境界に関するトラブルが多く、こじれた場合には裁判沙汰になるケースも珍しくありません。
測量図などは不動産取引の際にしか目にしない書類ですが、土地の情報が記載された大切な書類です。
測量図が作成された時期により現況と差異が生じる可能性が高いため、思わぬトラブルに巻き込まれないためにもしっかりと違いを認識しておきましょう。
測量図は3種類ある
測量図とは土地家屋調査士が「測量した結果の図面」です。測量図には「地積測量図」「現況測量図」「確定測量図」の3種類があります。
・地積測量図
新たな土地の表示の登記、地積の変更や更正の登記、分筆の登記等の申請に添付した「土地の面積を記載した図面」です。
登記の際に添付され、管轄の法務局に登記の申請書類として保管されています。
原則として、縮尺は250分の1、方位、千葉、隣地の地番、及び地積が記入されています。
・現況測量図
過去の地積測量図や現況の杭や壁などから推測した測量図面です。
測量図面としての正確性はありますが、各隣接地の立ち会いを行なっていないため、信憑性は低い図面です。
なお、ハウスメーカー等が建築前に行う測量も現況測量です。
・確定測量図
現況測量図をもとに官民境界(隣地や道路)を含む全ての境界点・測量線について、各隣接地所有者と立ち合いを行い、双方押印をおこなった境界(筆界)確認書が添付されている測量図面です。
確定測量図で得られた面積が登記簿謄本に記載される地積となり、地積測量図として法務局に保管されます。
測量費用はどのぐらいかかるのか?
現況測量の費用の相場は、一般的な住宅地であれば20万円前後です。
測量費用は面積が大きくなればなるほど割高となります。また土地の現況が複雑なケースや必要に応じて隣地の調査などが必要になるケースも費用が増額します。
確定測量の費用の相場は、一般的な住宅であれば40万円〜50万円程です。
現況測量図と同様に、面積が大きくなればなるほど割高となります。
また、確定測量図は隣接地との立ち合い業務が必要なため、隣接地が多かったり、道路が国道になるとプラス10万〜30万円程度です。
そのほかにも土地の条件により別途費用がプラスされます。
まとめ
測量図とは土地の面積や境界などを明確に表した図面です。
不動産の取引や分筆登記、道路・水路の払い下げなどの手続きで必要になります。
しかし測量がされた年代により精度が大きく変わり、登記されている面積と差異が生じる可能性があります。
不動産の取引を行う前には事前に測量図の有無や年代を確認し、場合によっては土地家屋調査士へ測量図面作成を依頼することも検討しておきましょう
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